【大学院入学を希望する方へ(2026年9月更新)】
あなたの体に触れている材料の表面で、いま何が起きているか。
コンタクトレンズ、人工関節、カテーテル、化粧品など、私たちの体は毎日たくさんの人工材料に触れています。材料が体に「なじむ」か「拒絶される」かは、材料表面のわずか数ナノメートルで起こる、水・タンパク質・細胞の出来事で決まります。林研究室は、この生体界面で起きる分子レベルの出来事を自分たちで作った計測法で「見て」理解し、新しい生体材料の設計につなげる研究をしています。
林研究室は東京科学大学 人間医療科学技術コース(材料系)に属しています。
研究テーマ
1. 界面の水が生体適合性を決める
「タンパク質が付着しない表面」はなぜ付着しないのか。自己組織化単分子膜(SAM)をモデルに、双性イオン表面やオリゴエチレングリコール表面にある水の水素結合構造を調べています。重水(D2O)を使った同位体効果の測定などで、防汚性(アンチファウリング)が生まれる仕組みを分子レベルで明らかにしています。
2. 世界にない計測法をつくる
市販の装置だけでは界面の水や吸着タンパク質は見えません。そこで、原子間力顕微鏡(AFM/FM-AFM)、単分子力分光(SMFS)、ギャップ制御赤外分光、表面増強赤外分光(SEIRA)、QCM-D、SPRなどを自分たちで改良・開発しています。装置を「使う」だけでなく「作る」経験ができます。
3. データ科学・AIで材料を探す
多変量スペクトル分解(MCR-ALS)や機械学習を使って、複雑な計測データから隠れた情報を取り出します。さらに、AIと自動実験を組み合わせた生体材料探索にも取り組んでいます。
4. 社会につながる研究
医療応用を見据え、企業との共同研究も行っています。基礎研究で得た理解を、実際に使われる材料やデバイスへとつなげることを目指しています。
林研究室の特徴
- 全員が外部出身です。教員・スタッフも含め、メンバー全員が東京科学大学(旧東京工業大学)以外の出身です。高専や他大学から来ても、スタートラインは同じです。
- 国際的な環境です。中国、タイ、パナマなど、さまざまな国のメンバーと日常的に英語と日本語で議論します。これまでにフィリピン、インドネシア、モンゴル、メキシコ、インドなどからも学生が在籍しました。
- 博士課程の学生を経済面でも支えます。博士課程の学生は全員、日本学術振興会(学振)や民間財団などの奨学金を得て、経済的に自立しています。申請書の書き方など、奨学金の獲得を教員とメンバーで強力にサポートします。
卒業生の進路
林研究室の卒業生は、大学や研究機関から企業まで、さまざまな分野で活躍しています。
- アカデミア:大学教員、公的研究所の研究員、海外の大学でのポスドク
- 分析・計測機器:堀場製作所、島津製作所
- 医療機器・ヘルスケア:テルモ
- 化学・素材:カネカ、DIC、ライオン
- 電機:日立製作所
- 住宅設備:TOTO
- マテリアルズ・インフォマティクス:MI-6
- 知的財産:特許事務所
表面・界面の計測と材料設計の力は、分野を問わず高く評価されています。
大学院入試・研究室見学
- 大学院入試については人間医療科学技術コースのWebサイトをご覧ください。
- 研究室見学はいつでも受け付けています。Zoomでの研究室説明もできますので、お気軽にご連絡ください。
- 連絡先:th[at]mct.isct.ac.jp([at]を@に変えてください)
- 研究室紹介資料(PDF) / 研究室案内(日本語版、PDF)
- 留学生の方は、英語で学位を取得できる国際大学院プログラム(A)の案内ページ Why IGP(A) をご覧ください。